声優マネージャーというのは、なかなか新卒者が採用されるチャンスは少ない職業です。その理由には、そもそも定期的に新卒者を採用している芸能事務所が少ないといった事情があります。一部の大手を除けば、採用の必要が出た時に不定期で募集をかけるというのが一般的です。
そのため、新卒者が就職するタイミングと募集時期が被らないケースが少なくありません。また、仮に求人が出たとしても、声優のマネージャーという仕事をこなすには、業界内における人脈や営業力が必須となるため、既に業界内で、それなりに働いてきている人、声優マネージャーとしての実績がある人を優先的に採用する傾向があります。
そのため、社会人未経験の新卒者というのは、なかなか難しい立場にあります。普通に言えば、新卒というには、最も仕事に就きやすいタイミングなのですが、声優のマネージャーという仕事に関しては、ちょっと事情が異なってくるということです。
新卒者が声優のマネージャーとして、採用されるために有利な条件
だからといって、新卒者が採用されないチャンスがゼロというわけではありません。新卒者が採用されるケースもあります。この場合、仕事を覚えるという意味で、最初は事務関係の仕事や雑用からスタートすることになりますが、こうやってキャリアを積んでいけば、だんだん声優のマネジメント業務にも携わることが出来るようになります。
芸能事務所というのは、雑用係を雇っておくほど余裕があるわけではないので、一日も早く一人前になって、マネジメント業務に従事出来るようになることが求められます。逆に言えば、仕事を覚えさえすれば、すぐにでもマネージャーとして、仕事を任されるようになるわけです。
ですから、一度事務所に入ることが出来れば、自分のやる気次第で、早い段階で声優のマネジメント業務に取り組めるようになります。
では、新卒者が芸能事務所に採用されるには、どうすればいいのか?
就職の可能性を高める条件を幾つかリストアップしてみます。
1:大学を卒業する
声優マネージャーも採用時には学歴がモノを言います。最低、大学を卒業していないと厳しいと思ってください。それも出来る限り、良い大学を出ることです。このへんはサラリーマンと一緒です。実際、芸能界でも一流大学卒は強いです。
2:社会人としてのマナーを身につけておく
芸能界は礼儀・礼節にうるさい世界なので、敬語の使い方、目上の人に対する接し方などは、一般企業よりも厳しい目で見られます。そのため、社会人としてのマナーを身につけておかないと、確実に面接で落とされます。
3:学生のうちに業界内で働いておく
下っ端のバイトでいいので、学生でいる間に業界内で働いておくと、事務所側の印象が違ってきます。場合によっては、バイトのツテで就職先を紹介してもらえるといったこともあります。
芸能界は人とのつながりが強い世界なので、業界人を知っているだけで、有利に働くことがあります。そういった意味で、大学在学中のうちから、業界で働くチャンスを探ることは重要です。(必ずしも、声優の仕事でなくて構わないです。)
なお、事務所を紹介してもらうというのは、仕事振りを評価されてこその話なので、仮に働く機会を得ることが出来たのであれば、一生懸命働くのが鉄則です。あとは目上の人から可愛がられることも重要です。そのためには素直に、周りの人を思いやって行動することです。
一流企業で営業マンとして働くという選択肢
現実的な話をすると、声優のマネージャーというのは、絶対的に求人数が少ないので、新卒のタイミングで、就職出来るチャンスと巡り会えるかどうかというのは微妙です。全然みつからないという確率のほうが大きいはずです。
そうなった時に、どう対応するのかというのが重要です。一番、やってはいけないのは、フリーターとして生活しながら、声優のマネージャーになるチャンスを待つことです。これをやったら、まずNGと考えてください。
フリーターだと、ビジネスマンとしての経験を積むことが出来ないので、仕事をこなす能力が身につきません。先ほども触れたように、声優のマネージャーというのは実力主義の世界ですから、仕事が出来ない人間を、ただ意欲があるからというだけで採用することはありません。
20代前半ぐらいであれば、雑用などで潜り込めるかもしれませんが、逆にいえば、これぐらいが限度です。20代も後半になってきたら、まず無理と考えてください。
そして、こんなことをするよりも、もっと確実に声優のマネージャーになる確率を高める方法があります。それは、民間企業に営業マンとして就職、営業の仕事をしながら、マネージャーの求人を待つという方法です。
声優のマネージャーにとって、最も重要な役割というのは、自分が担当する声優のために仕事を取ってくることなので、要は営業です。営業力に長けたマネージャーというのが優秀なマネージャーです。
そして、営業スキルというのは、あらゆる業種において共通して通用するものなので、仮にメーカーやIT企業のような、全く芸能界と関係のない業種でも、営業マンとして経験を積んできた人というのは、声優のマネージャーに転向しても、すぐに通用します。
事務所側も、この事実を知っているので、営業畑出身者のほうを優先的に採用します。これが一流企業の営業マンだったりしたら、即採用です。フリーターをしながら、求人を探すよりも、よっぽど確実です。(仮に、声優のマネージャーになれなかった時にも、第二の人生を確実に歩めます。)
そのため、新卒で声優マネージャーの仕事を探すと同時に、一般企業の面接も受けておいて、マネージャーの仕事が見つからなかったら、普通の会社に就職するようにしてください。
そうやって、サラリーマンとして働きながら、声優のマネージャーになる機会をうかがって、無事マネージャーの仕事が決まったら転職する。これが最も確実な方法です。
ちなみに、これは大学卒業後、芸能学校などに進むよりも、可能性が高いやりかたです。とにかく営業マンとして一人前になることが声優のマネージャーになる最短ルートと考えてください。