司法書士で独立・開業を目指す人のなかには、『資格をとれば、何とかなる』と考えている人もいるかもしれませんが、これは大きな間違いです。
司法書士というのは難関資格であり、取得するために多大な努力を要するので、そう思いたくなる気持ちも分かりますが、現実は違います。
資格ということでいえば、司法書士に匹敵する、もしくはそれ以上に難易度の高い医者や弁護士であっても、過当競争で食べられない人間が増えている時代です。試験に合格すれば、それだけで仕事が安泰なんてことは、今の時代あり得ません。甘い夢は見ないことです。
司法書士の資格をとるのは、プロとして仕事をするための必要条件に過ぎません。ようやくスタートラインに立てたというだけの話です。プロとして成功出来るかどうかというのは別問題です。
お金が取れるレベルの仕事をするには、実務能力を常に磨く必要があります。そのためには、長年の実務経験も必要です。
独立となれば、経営能力も必須です。自分一人で開業する人が殆どだと思いますが、そうなると顧客を獲得する営業・マーケティングスキルや売り上げ、経費の計算を行う会計スキルなど、様々なことが全て、あなたの肩にのしかかってきます。
しかしながら、これらのスキルは司法書士という資格とは全く無縁のものであり、ゼロから学ぶことになります。もちろん、一筋縄ではいかないことばかりです。
独立・開業というのは、それだけハードルが高いということです。
仮にどこかの事務所に就職、スタッフとして働くとしても、一人前の司法書士として周囲から評価されるようになるには切磋琢磨が必要です。
資格というのは、その名の通り、あくまでも資格です。その仕事に携わる権利を得たというだけに過ぎません。
本気で成功したいのであれば、試験に合格すればどうにかなるという依存思考は捨てましょう。
確かに資格には信用があります。司法書士が関わる業務は専門性が高いだけに、肩書きが持つ力は、他の士業と比較しても強いものとなります。しかし、それでも、多少有利な立場に立てるというだけであり、持っているだけでは、意味はありません。
司法書士という仕事で成功出来るかどうかは、資格取得後の努力次第です。
安直な思い込みは捨てる
『司法書士になればどうにかなる』という依存思考を生み出す原因の一つが、安直な思い込みです。『資格を取れば仕事が来る』という思い込みです。
そんな時代は既に終わっています。たしかに過去には、資格があれば口コミだけで仕事が取れるという時代もありました。
しかし今現在、資格を持つ人がどんどん増えています。司法書士も年々増えています。必然の結果として、顧客獲得の競争が発生します。ただ待っているだけで仕事がくるというようなことは絶対にありません。
顧客のニーズを的確に見極めて、クライアントの要望を満たすサービスを提供するように心がけなければいけないですし、お客様とうまく意思疎通を交わすためのコミュニケーションスキルも必須です。
一昔前には、司法書士のような士業は専門業務を極めることが美徳と考えられていた時代もありましたが、今はそれだけでは通用しません。
専門業務に精通することは当たり前、仕事を得るためにはプラスαが求められるようになっています。少なくても顧客に価値を与えるサービス業であるという観点は絶対に持つべきです。殿様商売ではやっていける時代ではありません。
そうすれば、自分のやるべきことが自然に見えてきます。
ちなみに、これは補足ですが司法書士は供給過剰気味ということを書きましたが、上記のようなサービス業の視点で活動している人は少ないため、顧客視点で展開していけば、お客さんを囲い込むことは難しくありません。
そういった意味ではチャンスの時と捉えることもできます。
司法書士として成功するという強い決意をする
なんとなく成功できたらなあ・・・・という願望だけでは、成功することは出来ません。
現実問題として、成功するためには多大な努力を必要とします。時には、寝る間を惜しんで働くぐらいのことはしなければいけません。
その努力のなかには、泥臭いことや地味な作業も含まれます。決して、キレイごとだけで済む話ではありません。『うまくいけばいいなあ』と何となく心に思っている程度では、すぐに挫折してしまうでしょう。
一度軌道に乗れば、効率よく結果を出すことも可能となってきます。そのレベルに到達した司法書士というのは、周りからみれば、とてもスマートですし、これからという人にとっては目指すべきモデルと言えます。
しかし、彼ら成功者にも、そこにたどり着くまでには、歯を食いしばって耐えてきたという時期があります。そういった時期を乗り越えてきたからこそ、優雅に過ごせる今を実現出来たと言えます。
司法書士として成功するためには、猛烈な努力と、それだけの努力をするだけの強い決意が必要です。
