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簡単に自己破産することは出来ない

借金が返せなくなったら自己破産すればいいじゃん。

こんなふうに安易に考えているのであれば間違いです。自己破産というのは、決してそう簡単に認められるわけではないからです。

自己破産した場合、本人に認められるのは現金20万円と資産99万円までです。(資産の額については、地方裁判所の裁量で、多少数字が変わることがあります。)

持ち家や車、貴金属などあらゆる資産は没収され、債務の返済に回されることになります。積立型の生命保険を掛けている場合、保険を解約した時には発生する解約返戻金も財産とみなされるので、没収の対象となります。(掛け捨て型の保険であれば問題なしです。)

実質的に無一文になるのと一緒です。厳しい条件ですが、逆にいえば、ここまでしても得するというぐらい、借金を抱えている人のためにあるのが自己破産という仕組みです。

ですから、ある程度の貯金や資産がある人の場合、そのまま借金返済を続けたほうがかえって得ですし、そういった人に対しては裁判所も自己破産を認めることはありません。

返済負担を減らすが最初のステップ

従って、債務整理を行う時には、いきなり自己破産ということではなく、借金を減額したうえで、返済を続ける個人再生や債務整理を模索することになります。

そういった可能性を計算したうえで、どうしても無理ということで初めて自己破産が認められることになります。

借りた金は出来る限り返しなさいというのは、国の方針なわけです。当たり前の話ですね。人生、甘くはないということです。

破産者に認められる財産

自己破産は債務者が経済的に更正出来るようにサポートするための仕組みなので、本当に全ての財産を没収してしまうと生活が出来なくなり、その目的を果たせなくなります。

そこで、破産法で一定範囲の財産については『自由財産』として、破産者が自由に使うことが許されています。破産法上、下記の資産は自由財産となります。

①破産手続開始決定後に発生した財産(開始決定後に得た給与・賞与など)

②現金99万円(預貯金はのぞきます)

③生活必需品

④給与の4分の3相当分

⑤破産開始決定前に退職した場合の退職金の4分の3相当額

⑥在職中の場合の退職金受取予定額の8分の7相当額

⑦生活保護を受け取る権利

⑧児童手当を受け取る権利

⑨年金給付を受け取る権利

年金や児童手当は、そのままもらえます。また、働いている場合、破産手続きが始まった後に稼いだ収入は全部、自分のものとなります。生活必需品は全て所有することが認められますので、定職に就いている人であれば、生活に困ることはないと思います。

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