特別養護老人ホームの特徴~サービス内容、費用、入居条件等~

特別養護老人ホームは、地方自治体が運営する老人ホームです。公的施設なので、民間の施設と比べると、圧倒的に入居費用が安く、かつ、終身で利用可能なので、かなり人気の高い老人ホームです。(入居待ちの人が100人以上いる施設も存在します。)

なお、特別養護老人ホームという呼び名ですが、これは老人福祉法で定められた名称であり、介護保険法では介護老人福祉施設と呼ばれています。実際に老人ホームを探そうとすると、この2つの名称が混じっていて、ややこしいので注意してください。

施設の特徴

1:介護サービス中心の共同生活

経済的には、非常にリーズナルブルで安心な特別養護老人ホームですが、毎日の生活には、かなり縛りがあります。元々、特別養護老人ホームの入居条件は、要介護1以上と緩いものであり、比較的元気な高齢者も暮らしていました。

しかし、2015年から入居条件が要介護3以上に引き上げられたことに伴い、特別養護老人ホーム内における介護サービスの比重が大きくなりました。ただし、まだ介護スタッフの人員が追いついていない施設が多く、そういった施設だと、画一的なサービスになりがちです。

本来、介護というのは、利用者個人の気持を尊重しながらのケアとなるべきなのですが、時間が毎日決まった時間にオムツ交換を行う、移動介助は食事前に一斉に行う、入浴の日や時間もホーム側に決められているなど、機械的になっているのが現状です。

その一方で、人員確保に成功している施設だと、人間味のあるケアを受けられます。施設によって大きく違ってくるので、実情については、事前に入念に調べておくことをオススメします。

2:季節の行事、レクリエーションもある

入居者の要介護度の重さにもよりますが、季節の行事やレクリエーションを大切にしている施設が多いのが、特別養護老人ホームの特徴です。共同生活を余儀なくされ、ある程度、個人のプライベートが限定されるため、こういった配慮がなされています。

要介護度が重い人が集まっていて、入居者の参加が難しいホームでも、高齢者がメインとなる敬老会だけは、毎年何かを用意してお祝いをしていたりします。

日頃からレクリエーションなどに参加することは、入居者が楽しむだけではなく、適度な刺激を持つことで、介護度の進行を防ぐという予防効果もあるので、非常に重要な機会となっています。

3:朝は健康チェックから始まる

特別養護老人ホームには、日中は看護師が常駐して、毎日の健康チェックや、寝たきりの人の褥瘡などの予防対策、入居者の健康相談などを行っています。治療は行いませんが、異常があればすぐに対応してくれるので、安心です。

4:病気になったら病院へ

特別養護老人ホームでは、配置医という担当の医師や看護師による健康管理や予防接種などは行います。ただし、病院ではないので、病気になったら通院や入院が必要になりますが、その時の送迎や付き添いを家族の責任としている施設もあるので、要注意です。

本来、特別養護老人ホームには通院介助の義務もあり、実際に、看護師やスタッフが行っている施設もありますが、人手不足から家族に任せている施設も少なくありません。(法的には、完全には違反とは言えないグレーゾーンです。)

送迎・付き添いというのは、かなりの負担になり、通院介助を行ってもらえるのかどうかというのは大きな違いとなるので、事前に確認しておくことをオススメします。特別養護老人ホームに入所する時点では、病院のお世話になっているわけではないので、忘れがちですが、重要なチェックポイントです。

5:待機者が多く入所待ちのホームがほとんど

特別養護老人ホームは、待機者が多い状態が何年も続いています。2015年からは入居条件が要介護3以上と厳しくなったため、若干緩和されましたが、元々が人気の施設なので、すぐに入れるケースは、かなり稀です。

本当に必要な人が優先的に利用出来るように、配慮されてはいるものの、待ちきれなくて有料老人ホームへ入居するという人が少なくないのが実情です。

そこで、申し込みの順番が変わるわけではないのですが、希望している特別養護老人ホームがショートステイを受け入れているような場合には、一度利用してみることをオススメします。これでも、だいぶ家族の負担が軽減されますし、介護職員やホームの雰囲気がわかるので、ホーム選びの参考にもなります。

特別養護老人ホームへの入居条件

特別養護老人ホームは、下記の条件に当てはまる人が、入居出来る施設です。常に定員が満員ので、空きが出るのを待つ希望者が列をなしているという施設が多いのが実情です。

  • 要介護度3以上の方
  • 例外として、要介護度1、2であっても認知症などの理由から特別養護老人ホーム以外での入所が困難と考えられる方

入所の申し込み先は、各特別養護老人ホーム、市区町村と様々です。国は、施設サービスを受ける必要性が高いと認められる入居者を優先的に入居させるよう努めることとしています。

実際の流れとしては、申し込み者ごとに優先度をポイントにして、空きが出た時に一番ポイントの高い人に案内されるという仕組みになっており、要介護度が重い人、介護する人がいない人などが、優先度が高くなっています。

ただし、特別養護老人ホームは公的な老人ホームであるため、機械的に判断するのではなく、困っている人を助けようという姿勢で運営されています。

特別な事情があって、本当に困っているという時には、市区町村の窓口に一度相談することをおすすめします。すぐに入所出来る施設を探してくれたり、どうしても入居待ちが避けられない時には、待機中の対処方法など、事態が好転するための方策を一緒に考えてくれます。

入居期間

特別養護老人ホームは終身利用が原則です。ただし、入居中に入院が3ヶ月以上続くような場合には、退去になることがあります。

特別養護老人ホームの費用

入居一時金や事前にかかる費用は一切ありません。月額料金は、個室か多床室(相部屋)など利用する部屋のタイプで違いがありますが、おおむね9万円~14万円程度となります。

内訳は、介護保険の施設サービス費の1割又は2割負担分、部屋代、食費、光熱水道費、日用品費などです。オムツ代なども、月額料金に含まれているので、別途請求されることはありません。

居住費(部屋代)と食費は全額自己負担ですが、所得の低い人は軽減措置を受けることが出来ます。この減額制度を受ける場合には、市区町村に申請、負担限度額確認証を交付してもらう必要があります。

サービス内容

特別養護老人ホームで受けられる主なサービスは、下記の通りとなります。公的施設なので、どの施設でも、サービス内容は共通です。民間のように、施設ごとに大きく差があるということはありません。

1:介護サービス

日常生活において必要な介護が提供されます。その人に合った介護計画書を作成、その内容に添って行うことで、職員が代わっても同じ支援がされるように配慮されています。

また、入居者の身体状況の変化に対応出来るように、定期的にカンファレンスを行い、必要な支援内容や介護方法について、見直しをかけています。そのため、常に入居者の状態に合った適切な介護サービスが受けられるようになっています。

2:食事サービス

管理栄養士による栄養バランスを考えられた献立で、1日3食提供されます。刻み食やソフト食など、体の状態に合わせた食事の形態が選択されるようになっています。食事が入居者に合っているのか、管理栄養士が常に気を配って、食べ残しがないように配慮されています。

3:入浴サービス

一般浴や介護用の浴槽が用意されていて、必ず介護職員がついて入浴します。入浴出来る曜日や時間は決められていますが、体調や都合に合わせて、柔軟に対応してもらうことが出来ます。

4:窓口になるのは生活相談員

特別養護老人ホームには、必ず生活相談員が配置されています。生活相談員は入所の面接から手続きを担当、入居後も施設側の窓口として、利用者・家族とのコミュニケーション促進を担います。

入居者の預かり金の管理、入居者の希望や相談などの聞き役、入院の準備といった業務なども、生活相談員の重要な役割です。

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