経営企画というのは、資格よりもビジネスマンとしての経験・実力がモノを言う職種なので、経営企画職に就きたければ、財務や管理会計、事業企画といった業務経験を積むのが最短ルートです。こういった分野において他者から認められる実績をあげれば、経営企画部門への転職の可能性が出てきます。
この事実が大前提なのですが、それとは別に、こういった資格を取っていれば有利に働くというものも幾つか存在します。資格はあくまでも補足的な存在ですが、取得を目指して勉強することは、自分の実力を高めるうえでもプラスとなります。
難易度の高い資格ばかりとなりますが、それだけに取得することはプラスになるので、チャレンジしてみてください。
MBA
大企業の経営企画部門への転職を目指すうえでは、MBAというのは持っていて当たり前の資格と言えるかもしれません。ただし、ここで注意すべきことは、日本の大学院と欧米の大学院では、評価が全く違うということです。
日系企業であったとしても、高く評価するのは欧米の大学院卒です。日本の経営大学院というのは、まだそれほど認められた存在ではないので、資格を武器として考えるのであれば、欧米の大学院に留学して、MBAを取得することを目指してください。
もちろん、これは能力的にも金銭的にもハードルが高いので、そう簡単には出来ないことですが、その場合には、日本の大学院でMBAを取得するよりも、下記にリストアップした資格を狙ったほうがいいです。
それほど費用がかかるわけではないので、経済的負担を抑えたいという人にはオススメです。また、中小企業の場合、MBAを持っていても、活かせるだけの機会がないので、下記のような資格のほうが会社側からの評価が高くなったりします。
最終的に大企業を目指すにしても、中小企業で経営企画職の業務経験を積めば、その実績を活かして、転職することが可能です。
中小企業診断士
中小企業の経営目標達成を支援するためのコンサルタントとして活動出来るだけの能力を持つと国から認められた存在が中小企業診断士です。資格を取得するには、2次に渡る筆記、口述試験と15日間の実務補習を受ける必要があります。
試験範囲は組織・人事、マーケティング・流通、生産・技術、財務・会計、経営法務、情報システム、経営施策、オペレーションマネジメント等、多岐に渡り、中小企業の経営に必要な知識を一通り学ぶことが出来ます。
経営に関する知識を習得としていることを示す資格として、企業からの評価も高く、経営企画職への転職を目指す時にもPRポイントとなります。
公認会計士、税理士
経営は数字の世界でもあり、数字に強くなければ経営を行うことは不可能ですが、経営に関する数字を学べるという意味では、公認会計士、税理士というのは格好の資格です。これらの資格を取得出来れば、財務指標を読み解くことが出来るようになりますから、経営企画の業務を遂行する時にも役立ちます。
難易度が高い資格なので、最初はレベルを落として、簿記1~2級あたりを目指すことから始めるのもアリです。
英語
語学というのも、磨いておいて損がないスキルです。特に英語はビジネスマンにとって必須スキルと言っても過言ではなくなってきており、経営企画職を目指す時には、ビジネスレベルの英語力は習得しておくべきです。
資格として最も適切なのはTOEICであり、最低700、出来れば800以上は欲しいところです。また、英語以外では中国語も身に付けておいて損がありません。特に中小企業の場合、中国進出を考えているけど、中国語が出来る人材が全くいないという会社が多いので、転職の際には武器となります。
あくまでも実務が基本
ここまで、経営企画職を目指すうえで、取得しておいて損がない資格を見てきました。どれも一筋縄ではいかない資格ですが、それだけに保有していれば、自分の実力を証明する証拠となります。
是非、取得を目指して頑張って頂きたいのですが、最後に注意点として、改めて、資格というのは補足的なものということをお伝えしておきます。
資格を持っている人間よりも、実際に新規事業の立ち上げに関わったりした経験を持つビジネスマンや、管理会計業務に長年携わってきたといった経験を持つビジネスマンのほうが、間違いなく高く評価されます。
実務経験以上に高く評価されるものはないので、もし、こういった実務を積めるチャンスに出会った時には、迷うことなく、そのチャンスを掴むようにしてください。それで、資格が取得出来なくなったとしても、全く問題ありません。
その気になれば、資格はいつでも取れるものですが、経験を積む機会というのは、そう簡単には巡り会えません。ですから、経営企画に通じる仕事に就けるチャンスと遭遇したら、そちらを優先するようにしてください。